祖母は仮設住宅に行くことが決まった。祖母にとっての日課は近所の友達と井戸端会議をすることだ。
だが、我が家に避難したことによって日課はただただテレビから流れてくるニュースを眺めていることに変わった。
祖母にとって我が家にずっといる事態がイベントであり、非日常なのである。初めは布団の違いペットのことで苦労したし、私にとっても少しばかり煩わしく感じてしまった。だがソレは時間が進むなり感じなくなり、むしろ帰って来たら必ず誰かいる状態が心地よく感じるようになっていた。
つまり祖母がいなくなってしまうのは少しだけ寂しく思う
今思えばただただ見ているのではなく、流れてくる情報を得て祖母はこの先の自分を見ていたのかもしれない。
佐藤恭平